仏造幣局(モネドパリ)が新たな硬貨の製造を急ぐあまり、多数の硬貨を無駄に製造してしまうというミスをおかしていたことが報道で判明した。造幣局は2024年はじめまでに10ユーロセント、20ユーロセント、50ユーロセントの新硬貨を合計2700万枚製造し、12月7日にはルメール経済相の出席の下に新硬貨を披露する予定で、招待状まで発送済みだったという。予定に間に合わせるために、硬貨の新たな図柄に関して欧州委員会の許可がおりないまま、11月はじめに製造を開始してしまった。
ちなみにユーロ硬貨の図柄は片面が全加盟国共通で、もう片面は各国が独自に決めるが、欧州委員会の許可取得が義務付けられている。また独自の図柄をあしらう面の縁には欧州連合(EU)のシンボルである12の星を必ず刻印する必要がある。ところが、欧州委員会は12月はじめに新硬貨の星のデザインが見えにくいとの理由で、新たな図柄を却下した。そのため造幣局は2700万枚をさらに大急ぎで作り直さざるをえない状況に追い込まれたという。
造幣局では、2700万枚は年間生産枚数の2%未満に過ぎないと弁明しているものの、このミスの費用は70万ユーロから120万ユーロ程度と推定される。