エールフランスKLM、初のサステナビリティ・リンク・ボンドを起債

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エールフランスKLMはこのほど、サステナビリティ・リンク・ボンドを発行し、10億ユーロを調達した。同社がこの種の社債を起債するのはこれが初めて。
サステナビリティ・リンク・ボンドは、あらかじめ決めた持続可能性の業績目標の借主による達成状況に応じて金利等の条件が変動する社債で、発行等は2020年に国際資本市場協会(ICMA)が定めた自主的指針であるサステナビリティ・リンク・ボンド原則(SLBP)に従ってなされる。エールフランスKLMは今回、自社が運航する航空機からの温室効果ガスの排出量を2025年に2019年比で10%削減することを目標に設定して起債を行った。償還期限3.3年・利率7.25%と償還期限5.3年・利率8.125%の2種の社債を発行し、各5億ユーロ、合計で10億ユーロを調達した。目標は航空機隊の刷新による節減効果を通じて実現する計画。応募の倍率は2.6倍と高く、これは、目標達成の確実さ(エールフランスKLMは2030年までに30%の削減を予定)に加えて、足元の業績改善(2022年に営業収支の黒字復帰など見込む)も助けになった。
エールフランスKLMは、調達した資金の全額を、新型コロナウイルス危機時に得た公的援助の伴う特別融資の返済に充当する。40億ユーロの融資総額のうち、15億ユーロは返済済みで、今回の10億ユーロを差し引くと、残高は15億ユーロまで下がる。