政府、テロ対策法案を審議

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政府は28日に開いた閣議で、テロ対策法案を審議した。テロ関連の受刑者の出所後の監視体制と、テログループのデータ分析を通じた監視措置などの条項が盛り込まれている。
この法案は、テロ警戒の非常事態宣言の終了に伴って制定された2017年のテロ対策法(SILT)の見直し等を目的として、ダルマナン内相とデュポンモレティ法相が準備した。以前から提出が予定されていたものだが、ちょうど、パリ南郊ランブイエ市の警察署襲撃のイスラムテロ事件(職員1人が死亡)が発生した直後というタイミングになり、大きく注目されている。
テロ関連の犯罪で有罪判決を受けた受刑者のうち、100人程度が2023年にかけて刑期を終えて出所することになっており、出所後の監視体制をどうするかが課題として浮上している。SILT法は、MICASと呼ばれる制度の下で、一連の制約を出所者の危険度に応じて適用することを可能にしているが、新法案にはその見直しが盛り込まれる。
もう一つの注目点は、2015年の情報機関法の見直しで、特に、閲覧がなされたURLをアルゴリズムを用いて広範囲で追跡し、リスクの高いIPアドレス等を拾い上げるという監視措置が焦点となる。こちらについては、データ利用の条件に関する最近の行政最高裁(コンセイユデタ)の判決とのすり合わせがあるため、5月12日に別途、閣議に提出されることになっている。