「同性愛矯正治療」の禁止法案、下院で審議

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下院法務委員会は29日、「同性愛矯正治療」を違法行為として禁止する内容の議員立法法案を審議した。10月5日に本会議で審議される。
この法案は、与党LREM所属のローランス・バンスンブロック議員が提出した。政府はこの法案を急速審理の対象に指定し、2022年5月の現政権の任期満了前の成立が実現するよう後押ししている。
「同性愛矯正治療」がどの程度の規模で行われているのか、実態は明確に把握されていない。自らも同性愛者であることを公言しているバンスンブロック議員は、立法措置の利点として、その禁止に加えて、規模を把握する手段となることを挙げている。違法行為として禁止されれば、被害者が提訴を行うことが可能になり、司法当局のレベルで把握が可能になるという。
この種の「治療」は、特にプロテスタントの福音派と、カトリックの傍系において目立つというが、ユダヤ教やイスラム教系のものもある。1990年代に米国から移入された方法がよく用いられている。新進信心会の至福信心会(コミュノテデベアティチュード)が後押しする「トランドビー(Torrents de vie)」が老舗だが、「みんなのデモ」(同性婚反対運動)以降は、エマニュエル信心会の「クラージュ(Courrage)」の動きも活発になった。同性愛を無用に罪悪とする価値観を洗脳的手段で強要し、特に青少年の精神を破壊するものとして被害者らが告発し、社会問題として認識されるに至った。