デュポンモレティ法相、マルセイユ訪問で未成年者刑法典改正について説明

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デュポンモレティ法相は8月24日にマルセイユを訪問した。マルセイユ地裁を訪れ、未成年者刑法典の改正について説明した。
この改正は9月30日付で施行される。目玉となるのが、判決と量刑を別々に決める新制度の導入で、具体的には、犯行から起算して10日から3ヵ月以内に事実関係の吟味と有罪・無罪の判決を下し、量刑をその6-9ヵ月後に下すという形になる。その間、被告人の未成年者は教育的処分の下に置かれ、量刑の決定にはその処分中の態度や実績も考慮される。これは、未成年者の犯罪に対する処罰を迅速に決め、教育的処分の適用を通じて、厳しいが、更生と社会復帰を後押しする形での処罰を決められるようにすることを目的としている。判決そのものが早期に下されるため、被害者に対する賠償もより迅速に行うことが可能になる。その一方で、13才未満の者については、責任能力の不在を推定するとの原則も導入される。これは、国際条約への適合化を図るための措置だが、検察官には、13才未満の被疑者であっても、挙証により責任能力があると主張することが認められる。
この改正について、司法官など関係者からは、裁判所の処理能力が厳しい状態にある中で対応は困難だと問題視する声も上がっている。法相のマルセイユ訪問は以前から予定されていたが、ちょうど、麻薬密売組織間の抗争で未成年者が死亡する事件が発生したばかりというタイミングでの訪問となり、法相にとっては各方面からの風当たりが強まる中での訪問となった。