パリ・パラリンピックが28日に開幕する。9月8日(日)まで12日間に渡り開催される。イルドフランス(パリ首都圏)のペクレス議長は記者会見を開き、公共交通機関の対応について説明した。
期間中には1日30万人の移動がある見込みで、これは五輪期間中の50万人に比べると少ない。ただ、帰省客がパリに戻り、9月2日には学校も再開されるため、旅客輸送の需要はその分大きくなる。ちなみに、通常の期間中の旅客輸送需要は1日500万人で、夏季の350万人(五輪観客除く)よりも多い。パリの公共交通機関は五輪時と同じ強化体制で臨む予定。当局は、パリ・メトロ9号線(ローランギャロス競技場向け)、13号線(スタットドフランス向け)、RER(郊外連絡急行)のA線(ベールシュルマルヌ方面)について、観客の利用が増えるためできる限り乗車を見合わせて代替ルートを利用するよう勧告。RER C線(ベルサイユ方面)で30%、RER D線(スタッドドフランス方面)で30%などの増便も予定する。
ペクレス議長は、パラリンピックにちなんで、パリ・メトロの完全バリアフリー化についても言及。現在整備が進んでいるグランパリ・エクスプレス(メトロ15号線以降)はネイティブでバリアフリーが実現するが、建設が古い既存の路線について、20年をかけて段階的に完全バリアフリー化を進めるとした。費用は150億-200億ユーロがかかるが、国と地域圏、パリ市がそれぞれ投資資金の捻出で協力することを約束したという。地上部分が多く、対応が容易な6号線でまず着手する予定といい、その費用は6億ユーロから8億ユーロ程度に上るとした。