総選挙決選投票:極右阻止に向けた協力の行方は

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7日に行われる総選挙決選投票の投開票に向けて、各選挙区での立候補維持の届け出が2日18時で締め切られる。極右RNの単独過半数獲得の阻止に向けた立候補取り下げの是非が焦点になる。
マクロン大統領は、極右に1票も与えないという方針を示し、これまで極右RNと同列に扱って批判してきた左翼政党「不服従のフランス(LFI)」とそのリーダーであるメランション氏の批判を差し控えたという。連立与党の側ではこの協力を反極右の「共和派戦線」と呼んでいる。焦点となるのが、3人以上の候補が決選投票への進出権を得た選挙区で、これら選挙区では、下位となった候補が立候補を取り下げて、RNの対立候補を支持するという格好になる。1日の時点で、300余りのこの種の選挙区のうち、155選挙区で立候補取り下げが実現。その内訳は、104が左派連合「新民衆戦線」の候補、48が連立与党の候補となっている。極右阻止のこうした動きが有効に機能すれば、RNの単独過半数獲得は難しくなるが、現状でRNのみが単独過半数を獲得するポテンシャルを持っているのも確かで、いずれにせよ下院における最大勢力になるのはほぼ間違いない。
左派連合との「協力」については、連立与党内の右派勢力に、左翼政党LFIを支持する形となることに反発する声が根強くある。LFIとRNの対決であれば、どちらにも投票すべきではないとする意見を、ルメール経済相やフィリップ元首相などが表明している。
RNのバルデラ党首は、過半数が得られないなら首相にはならないと公言してきた。第1回投票の開票速報発表の直後でも、過半数獲得を目指す姿勢を鮮明に打ち出し、有権者に支持を呼びかけていた。ただ、RNの党内からは、単独過半数でなくとも内閣を樹立する可能性を探ることを示唆する発言も出始めている。