中学生が集団暴行死、「家族の名誉」殺人か

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パリ近郊のビリシャティヨン市(エソンヌ県)で4日、下校中の男子中学生が集団暴行を受ける事件があった。被害者は5日に入院先で死亡した。警察は同日、成人1人と未成年者4人の合計4人を逮捕した。
被害者のシェムセディンくんは15才で、この夏に中学校を卒業する予定だった。4日午後、下校途中に覆面をしたグループに集団暴行を受けて意識不明の重体となり、入院先の病院で翌日に死亡した。警察は同日に、17才の未成年者3人と、20才の成人1人、そして15才の未成年者(女子)を逮捕。7日には、うち女子を除く4人に、殺人等の疑いで容疑者認定を行い、勾留の継続を決定した。女子には、犯罪を予見できる立場にあったのにしかるべき通報をしなかった疑いで、やはり容疑者認定を行った。
報道によれば、今回の事件は、郊外問題地区に多いグループ間の抗争ではなく、恋愛のもつれが引き金となったものとみられる。逮捕された5人のうち、女子と男子2人は兄弟で、女子と「性的な問題」について話し合うことを被害者に禁止する目的で暴行したとみられる。性的な問題で「家族の名誉」を守るためと称する暴力事件は少なからず発生している。
数日前には、モンペリエ市内の中学校前でも、女子生徒が集団暴行を受ける事件があった。低年齢層の間で過激な暴力事件が続いて発生した。アタル首相は6日、社会全体のぎすぎすした状況が学校にまで広がっていると憂慮の念を表明。非行を早い段階で処罰し、重大な犯罪に発展するのを未然に防ぐことに努めるとの方針を示し、関係閣僚と共に対策を準備中だと明かした。