アタル首相、「不労所得への課税」強化に前向きの姿勢示す

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アタル首相は2日、「不労所得への課税」に関する報告の作成を、ジャンルネ・カズヌーブ下院議員に依頼することを明らかにした。6月までに具体的な提言をまとめるよう依頼する。
フランスでは、2023年の財政赤字の対GDP比が5.5%まで膨張。赤字額は予定よりも158億ユーロ大きくなった。政府は2024年に100億ユーロの節減を実施することを決定。2025年にも200億ユーロの節減を行う準備を進めている。政府はその一方で、財政赤字の対GDP比を2027年時点で3%まで圧縮する方針を確認しているが、実現の方法を巡っては、連立与党内にも増税を求める動きがある。首相はそうした動きに配慮し、連立与党の結束を維持する目的で、与党所属の国会議員らに検討を求めることを決めた。カズヌーブ下院議員は、予算法案の報告担当を務めている。連立3党のそれぞれからの代表も加わり、連立与党がすべて参加する協議を行う。富裕層への課税強化は連立内の左寄りの勢力が特に求めている施策だが、マクロン大統領はこれまで、増税の可能性を否定してきただけに、どのような課税なら政府は応じるのか、詳細は明らかになっていない。
アタル首相はその一方で、失業保険の制度改正については、失業者の就業促進を通じて公的債務を削減し、公共サービスを強化するために必要だと強調。失業手当の給付期間短縮を含む改正の検討ポイントを維持する考えを再確認した。これは、連立与党内の左寄りの勢力が特に難色を示していた施策であり、アタル首相は一方で譲歩し、他方では譲らない姿勢を示したことになる。