英国の週4日勤務制試験実施、結果は上々

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英国で週4日勤務制(週休3日制)の大規模な試験が実施され、その結果が明らかにされた。これはシンクタンクAutonomyなどが様々な部門の61社の企業の2900人の従業員を対象に2022年6月から12月まで半年を費やして実施したもので、2月21日にその結果をまとめた報告書が発表された。
一口に週4日勤務制といっても、様々なモデルがあり、各社に選択が委ねられた。従業員の実感としては、ストレスが軽減され(39%)、疲労が低下し(71%)、より短時間で同じ仕事をこなせるなどの効果があった。また仕事と家庭の両立が楽になり(54%)、社会生活の調和も楽になった(62%)。無駄な時間が減った反面、大企業の従業員からは同僚との雑談などがなくなったことを残念がる反応も出た。企業側にとっては、退職や欠勤が大きく減り、売上は平均で微増するという好結果が得られた。試験に参加した61社中、56社は週4日勤務制を維持する方針であり、そのうちの18社は正式な採用をすでに決定した。
この試験が実施された背景には、新型コロナウイルス危機対策としてのテレワークの活用などの勤務形態の変化を経て、従業員の労働条件に対する意識が高まり、いわゆる「大退職時代」のような社会現象が起きているという状況がある。企業が人員の確保に苦労する中で、週休3日制が求人の強みとなるのではないかと期待されている。