仏政府、風力・水力発電施設に運転制限解除を要請

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェストエネルギー・環境レポート

仏政府は11月4日、EDF(仏電力)をはじめとする風力及び水力の発電施設を有する事業者に対して、今冬の電力不足への対応の一環で、運転制限を最大限に解除するよう要請した。
前日の3日に、EDFは、国内の4原子炉の運転再開日程の延期を予告。政府はそれを踏まえて、既存の発電施設の最大限の活用を目的に、今回の要請を行った。風力発電の場合、様々な理由から、一定の制限の下で運用がなされている。たとえば、騒音制限を目的に、出力を平均で7%引き下げて運転がなされている。冬季は人々が屋外で過ごす時間も少ないため、制限を解除する余地はある。鳥やコウモリの保護を目的とした出力制限もあるが、こちらも、季節により時間帯を工夫すれば、出力を引き上げる余地は大きいという。水力発電では、出力を引き上げた分に係り課税が強化されることが抑制要因となっているが、この課税強化は2023年年頭より廃止される予定になっており、余力を得ることが期待できる。政府は、施設の各々について、それぞれの状況を考慮した上で、発電量の増大を図るよう指示したが、具体的な増強の数値については明らかにしていない。
なお、国内の原子炉は現在、総数56のうち稼働中は30基にとどまっている。稼働中の原子炉の容量合計は27GWで、これが12月初めに38GW、1月初めに45GWへと引き上げられる予定となっている。その一方で、国内の電力消費は直近30日間に前年同月比で6%近くの減少を記録(気温等調整後)しており、電力消費の抑制努力の効果が出始めている。