デメオCEO、付加価値の追求を重視

投稿日: カテゴリー: 欧州自動車・モビリティ情報

(usinenouvelle.com 2021-10-27)
https://www.usinenouvelle.com/editorial/pour-luca-de-meo-renault-la-premiere-bataille-est-celle-de-la-valeur-ajoutee.N1153787
10月26日にパリのシテ科学産業博物館で仏自動車業界の集会が開催された。これに出席したルノーのデメオCEOは、フランスの競争力を強化するための自らの戦略を披露した。CEOはフランスをEV生産のハブとし、雇用の安定化と安全化を図り、さらに雇用を創出することを約束、ルノーはそのための砕氷船の役割を果たすと宣言した。
フランス政府は2030年にフランス国内で200万台のEVを生産することを目標に掲げつつ、ドイツなどと比較して競争力を維持するために生産税を引き下げる方針を示唆しているが、デメオCEOはEVの生産量にこだわるよりも、付加価値の確保を重視する姿勢を表明した。CEOはバッテリーのバリューチェーンをコントロールすることが肝心であり、原材料の精製、電極の製造、バッテリー管理ソフトの開発などをフランスが自力で行う能力を確保することが重要だと強調し、こうした上流事業がバッテリーの付加価値のほぼ50%を占めると指摘した。
CEOはさらに、バッテリーのリサイクルや、データ管理など下流事業についても、現状では米国企業に支配されていると指摘し、この分野でもフランスが自前のシステムを開発する必要性に言及した。特に欧州のデータの9割以上の保管・管理を米企業が行っている現状を強調した。