サッカーが反ユダヤ的な動きの標的に

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パリ市内のパルクデプランス競技場で6日、サッカーUEFAチャンピオンズリーグのPSG(パリサンジェルマン)対アトレティコ・マドリードの試合が行われたが、その際に、PSGのサポーター集団CUPが、「フリー・パレスチナ」と記したティフォと呼ばれる大弾幕を掲げた問題で、PSGはフランスサッカー連盟(FFF)が8日に開いた会合の機会に、大弾幕の事前審査を徹底することなどを約束した。
仏政府はこの問題で、政治的なメッセージがスポーツの場に持ち込まれるのは看過できないという立場から、再発防止を求めて連盟などに対して働きかけた。PSGは、サッカーの試合の日以外にCUPのメンバーを競技場内に入れないなどの措置を含めて、監督を厳しくすることを約束したという。
UEFA(欧州サッカー連盟)は、このティフォの内容を、規約が禁じる挑発や侮辱には相当しないと判断し、PSGへの制裁を見送った。PSGのサポーター集団がパレスチナ寄りであるという印象はこれまで取り沙汰されていなかったが、フーリガンへの右翼系の反ユダヤ主義の浸透は古くからあり、過去にも事案が発生している。
折しも、アムステルダムで7日に開かれたUEFAヨーロッパリーグのアヤックス対Mテルアビブ戦の後には、イスラエル人サポーターが「アラブ人」らにより襲撃を受ける事件が発生しており、イスラエル政府が自国民の帰国用に専用機を派遣する騒ぎにまで発展。国際的な緊張がサッカーの舞台に持ち込まれる状況が目立っている。