二酸化炭素からメタノールを合成する新製法を開発の仏Aerleumはこのほど、600万ユーロの調達を完了した。パイロット生産施設を整備する。
同社は、公的研究機関IFPエネルジーヌーベル出身の研究者スティーブン・バルデー氏が、BPIフランス(公的投資銀行)出身の投資家であるセバスチャン・フィドロウ氏と共に設立した。バルデー氏はエネルギー投入が少なくて済むメタノール合成法を開発したが、同社はその商用化を目指している。この合成法においては、円筒型の反応炉の中に、二酸化炭素がよく吸着する新開発の多孔質材料を配置し、飽和状態になるまで気体にて二酸化炭素を注入する。次いで、水素を導入して加熱し、触媒反応を引き起こす。その結果、液体メタノールと水蒸気が形成され、液体のみを回収するという段取りになる。今のところは実験室のレベルでの生産にとどまっているが、18-24ヵ月後をめどに、月産数トンを生産できるパイロット設備を整備する計画。そのための資金を今回の調達で確保した。
資金調達には、360 Capital、独HTGF(シーズファンド)、Norrsken、BPIフランス、そして、Aerleumの入居先であるアクセラレーターのMarbleが参加した。需要家としては、メタノール燃料使用の実績があり、既存のインフラも整っている海事部門を想定する。競争力のあるコストの実現が鍵となる。