16日のパリ株式市場では、高級ブランド銘柄が軒並み低下を記録した。最大手LVMHが15日夜に7-9月期の減収を発表したのが材料となった。パリ株式市場CAC40指数は同日、終値で0.4%安を記録し、低下が続いた。
LVMHは7-9月期の売上高が190億8000万ユーロとなり、前年同期比で4.4%の減収を記録した。有機的成長率はマイナス3%となった。アナリストらは事前に、2%程度の有機的成長率を予測しており、発表された数値は大きな失望を誘った。LVMHの株価は16日の取引開始直後に6%を超える大幅安を記録。終値でも3.68%の下落を記録した。関連銘柄はLVMHにつられて軒並み低下。終値で、エルメスが1.34%安、ケリングが0.82%安、ロレアルが2.18%安をそれぞれ記録した。
LVMHは、販売実績について、円高のために日本における販売が減速した(7-9月期の有機的成長率が20%、前の期が57%)ことの影響を挙げている。コンサル大手ベイン・アンド・カンパニーによると、今年の世界高級ブランド市場は0-4%の成長にとどまる見込みで、これはコロナ危機後としては最も低い成長率となる。