仏メディア大手ビベンディは22日、分社上場計画の詳細について発表した。早ければ2024年12月にも主要資産を分社化・上場する。
ビベンディは、コングロマリットに対して一般的にみられる株価の過小評価が、自社についても見受けられると主張し、分社化と上場により企業価値を高めることを目指すと説明している。主要資産のうち、カナルプリュス(有料テレビ)については、英ロンドン株式市場での上場を選択。同社はその理由として、既に加入者数の3分の2が国外事業によるものであることを挙げ、また、マルチチョイス(南ア)の買収が実現すれば、英国市場と同じ法規の適用下にある南アのヨハネスブルク株式市場での同時上場ができることも利点として挙げた。また、ハヴァス(広告)についても、オランダ・アムステルダム市場での上場を選択。これについては、複数議決権設定の制度の歴史が古いアムステルダム市場での上場が、敵対的TOBからの防衛を図る上で有利であることを挙げている。ビベンディはいずれでも、30%を超える株式を維持する予定。
ビベンディは、外国市場を選択したことについて、フランスを離れて外国に逃れるのが目的ではないとし、ビベンディ本体のほか、出版事業を束ねて再編成する「ルイ・アシェット・グループ」の上場をパリに維持することを挙げた。ルイ・アシェット・グループには買収したラガルデール・グループの資産が統合される。ビベンディ本体は、ゲームロフト(ゲームソフト)や金融資産(旧子会社であるユニバーサル・ミュージックに保有する株式など)を保有し、カナルプリュスとハヴァスの債務も引き取る。ビベンディは、実業家のバンサン・ボロレ氏のボロレ・グループが29.9%株式を握っており、分社化・上場はボロレ・グループの利益に直結する。