仏メディア大手ビベンディは28日、傘下の出版社エディティスを上場する計画を発表した。ビベンディは、先にTOBを通じてラガルデール・グループの57.35%株式を確保したが、ラガルデール・グループ傘下の出版大手アシェットとの兼ね合いから、競争問題に関する欧州委員会の許可を取得する必要がある。エディティスとアシェットを丸抱えのまま許可を得る望みはなく、エディティスを手放すことを決めた。9月に売却計画を欧州委に提示するという。
ビベンディはエディティスを2018年に8億3000万ユーロで買収した。エディティスの上場は、保有全株式をビベンディの株主に出資率に応じて分配した上で、上場する方式が採用される。ビベンディの経営権を握るボロレ・グループにも29.5%株式が配布されることになるが、ボロレはその一括売却を約束する。欧州委が審査において納得できるような売却先を示すことが成否を分けるポイントになる。ビベンディは、アシェットを核に、企業買収を通じて国際進出を一段と推進することを望んでいる。