グーグル、AI新拠点をパリに開設

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート欧州・フランス情報

米グーグル(アルファベット)が2月15日、AI部門の新拠点をパリに開所した。ピチャイCEOがパリを訪れて開所式を執り行い、ルメール経済相、ボートラン労相、イルドフランス(パリ首都圏)議会のペクレス議長らも列席した。グーグルは2011年と2018年にパリに研究開発拠点を開いているが、今回、AI関連の新たなハブとなる拠点を、パリ9区の6000m2の建物に開いた。エンジニア200人と研究者100人(グーグル・ディープマインド、グーグル・リサーチ、ユーチューブ、クローム等に所属)を集める。基礎研究促進のため大学・研究機関とも協力する方針で、CNRS(仏国立科学研究センター)との提携が既に決まっている。講演会や会議、マスタークラス、学生・研究者・NGO・スタートアップを対象としたコンテスト等も実施する。人材のトレーニングでは、2025年末までに10万人を育成する計画。ピチャイCEOは開所式の後、市内のキュリー研究所を訪問した。
パリでは、2015年の米メタによるAI研究所の設置を皮切りにAI部門のエコシステムが急速に発展している。最近では、ディープマインド(現グーグル・ディープマインド)の元エンジニアらが新スタートアップ「ホリスティック」の立ち上げへ向け2億ドルの資金調達を進めている。グザビエ・ニエル(仏通信フリー)、ロドルフ・サーデ(仏海運CMA CGM)らの投資家も2023年末、非営利のAI研究所プロジェクトに3億ユーロを投資すると発表した。また、2023年に創業した米スタートアップのプールサイドは、同じくグザビエ・ニエル、ロドルフ・サーデらの投資を得て本社をパリに移転した。