「死ぬ助けを得る権利」を保障の法案、下院小委員会を通過

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下院小委員会は2日、末期患者に「死ぬ助けを得る権利」を保障する法案を採択した。29日に本会議による採択を予定する。
この法案は、内閣に加わる中道政党MODEM所属のファロルニ下院議員が議員立法法案の形で提出した。もともとは、「生命の終わり」に関する法案として、政府が提出して国会審議の対象となっていたものだが、解散総選挙後の混乱で国会審議が中断され、再審議のめどが立たなくなっていた。このため、「死ぬ助けを得る権利」とターミナルケア拡充に関する2法案に分割し、議員立法法案の形で再提出することが決まり、そのうち前者が小委員会を通過した。
もとの法案と同様、「安楽死」という言葉は使われず、治癒の見込みがない患者が自ら死ぬことを助ける権利を保障するという形になっている。その実施においては、▽18歳以上である、▽仏国籍者か仏居住者である、▽治癒の見込みがなく、短中期的に死が不可避である、▽肉体的又は精神的な苦痛が大きい、▽知るべきことを知った上で自由に意志を表明する能力がある、という5項目のすべてを満たすことが条件になる。決定に当たっては、患者に依頼を受けた医師が、少なくとも他の医師1名と医療スタッフ1名の意見を聞いた上で決定できる旨が定められているが、本会議での採択前に修正される可能性もある。
法案は、マクロン大統領派と左派野党により支持されているが、共和党(保守)と極右RNは強く抵抗している。ターミナルケア拡充法案ともあわせて、12日に本会議での審議が開始される予定で、29日の採択を目指す。