LVMHのアルノーCEO、独立系メディアに対してかん口令

投稿日: カテゴリー: 日刊メディアダイジェスト欧州レポート

報道によると、高級ブランド大手LVMHのベルナール・アルノーCEOは、去る1月17日付で経営陣に文書を送り、特定の紙誌のジャーナリストとの取材に応じないよう求めた。名指しでかん口令を敷くのは大手企業でも異例だという。
アルノーCEOはその文書の中で、「調査報道サイトやインサイド情報誌などを名乗るマスコミが、高級ブランドの知名度を利用して、読者に媚びる報道を配信する」事例が見受けられるとし、そのような臆面のない記者と懇談したり、社内の情報を提供することを固く禁じるとした。CEOは具体的に、La Lettre(Indigoグループ傘下)、カナールアンシェネ、メディアパルト、ランフォルメ(実業家ニエル氏が支援する経済情報サイト)、そして、米国のPuck News、Glitz(Indigoグループ傘下)、Miss Tweedの7タイトル(サイト含む)を挙げて、経営陣にかん口令を敷いた。
この文書の存在を報じたのは当のLa Lettreで、対象となっているのはいずれも独立系を標榜する報道グループとなっている。各社とも、フランス随一の富豪であるアルノー氏のやり玉に挙げられたことをむしろ喜んでおり、La Lettreのボノー編集長は、「編集部が誠実かつ効果的に仕事をしていることの証だ」とコメントしている。