Meatly、英国で培養肉の家畜飼料向け販売許可を取得

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英国のベンチャー企業Meatlyはこのほど、英環境省の動植物衛生庁(APHA)から、自社開発の培養肉について、家畜飼料として販売する許可を得た。家禽肉を培養し、ペットフードなどに用いる。培養肉に販売許可が与えられるのは欧州諸国ではこれが初めてだという。
Meatlyのオーウェン・エンソールCEOは、今回の許可について、英国が培養肉の分野でリーダーになる意志を示したものだと歓迎。欧州連合(EU)離脱と政府のバイオテクへの熱意で今回の許可が可能になったとの見方を示した。
エンソールCEOはまた、人の食用に供される食品としての許可取得にも意欲を表明。当局機関の英食品基準庁(FSA)も、安全性が確保され、法令に適合するという条件において、培養肉のような代替材料の食品への使用を許可することに前向きの姿勢を示している。なお、これまででは、イスラエル、シンガポール、米国の3ヵ国のみが、培養肉の食品における使用を認めている。
エンソールCEOは、動物福祉に敏感な人の間で培養肉への需要は大きいとの見方を示している。培養肉を巡っては、細菌に弱いとか、培養促進のためのホルモン剤の使用など、消費により健康障害を起こすリスクを指摘する向きもあるが、CEOは、細菌対策は万全だとし、抗生物質の投与などがなく、重金属等の汚染物質の点でもクリーンな製品であることを強調している。