グランパリ・エクプレスの北東2路線、ケオリスが運行契約獲得

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パリ首都圏の公共交通組織機関IDFM(イルドフランス・モビリテ)は5月30日、パリ郊外を周回する新たな地下鉄網整備計画グランパリ・エクプレスに関して、2つの新路線(16、17号線)の運営事業者としてケオリス(SNCFの70%子会社)を選定した。同2路線の入札には、ケオリスのほか、RATP(パリ交通公団)の子会社RATP DEV、ミランATMが参加するコンソーシアムATEMISが応募していた。パリ首都圏の地下鉄運行はこれまでRATPが独占しており、ケオリスがこれを担当するのは初めて。ケオリスは国内ではリール、レンヌ、リヨン、国外ではドバイ、上海などで無人地下鉄運行実績がある。
16、17号線はセーヌ・サンドニ・プレイエル駅からパリの北東郊外へそれぞれ全長29km(10駅)、26.5km(9駅)延びる無人の自動地下鉄路線。運行契約期間は7年で、路線延伸の可能性を含めて最長10年までの延長が可能、3億ユーロの料金収入が期待される。開通は2026年末と2028年の二段階となる。営業速度が時速55-65km(車両を納入するアルストムによると最大時速110km)と速く、また、パリ市内の地下鉄始発・終電との接続のため朝は午前5時から、週末は午前2時15分までの運行が計画されている。なお、ケオリスが担当するのは車両の運行のみで、レール、トンネル、転轍、プラットホームドアといったインフラは、2010年のグランパリ関連法に則り、RATPがこれを管理することになっている。
パリ南郊に敷設が予定される15号線でも5月10日に応札企業による最終案が提出済みで、7月18日にIDFMの決定が発表される。