仏貿易収支、3月に改善:赤字幅は84億ユーロまで圧縮

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9日発表の税関統計によると、3月の貿易収支は84億ユーロの赤字となった。赤字額は、1年半余りの間で最低の水準に下がった。前月の赤字額は99億ユーロだが、この数字も、速報時の110億ユーロから大幅に下方修正された。
1-3月期の貿易赤字は298億ユーロとなり、前の期と比べて119億ユーロと大幅な縮小が実現した。輸出額は1512億ユーロで、前の期から1.6%減少したが、輸入額は1809億ユーロで、前の期比7.4%減と、輸出を上回る勢いで後退し、収支の改善に貢献した。輸入の減少には、やはりエネルギー価格の後退が大きく影響している。原油価格は同じ時期に13%の低下を記録、ガス価格も低下しており、輸入量も減った。また、原子炉の稼働率が段階的に上昇し、電力輸入も減ったことから、エネルギー製品の貿易赤字は1-3月期に前の期比で103億ユーロの縮小を記録。これは、貿易赤字全体の縮小幅とほぼ一致する額である。
貿易赤字は2022年通年では1642億ユーロ(前年比769億ユーロ増)と、過去最大規模に達していたが、3月までの12ヵ月間の貿易赤字は1605億ユーロまで縮小した。