マクロン大統領、イスラム教との協議機関としてFORIFを選定

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マクロン大統領は16日、大統領府で「仏イスラムフォーラム(FORIF)」の代表者らを集めた会合を開いた。大統領はこの機会に、「仏イスラム教評議会(CFCM)」を廃止し、仏イスラムフォーラムを国とイスラム教との間の協議の窓口とする考えを示した。
「仏イスラムフォーラム」は1年前に設立された。イスラム教系の団体の代表者を集めて、イスラム教導師の養成、宗教施設の警備、イスラム教教誨師の管理、過激派対策法への理解向上、の4つのテーマを中心に協議を重ねて報告書を作成、その正式な提出が大統領府において行われた。マクロン大統領は自らが全体会議に出席することで、イスラム教の問題に肩入れし、関係構築に積極的な姿勢を示した。
大統領が廃止を宣言した「仏イスラム教評議会(CFCM)」は、2003年に当時のサルコジ右派政権が設置したもので、アルジェリア、モロッコ、トルコなどイスラム教国の影響下にある組織を集める形で発足したが、内部の対立が続き、運営は麻痺状態に陥っていた。大統領は、CFCMがこれまで果たした役割に一定の評価を与えた上で、協議において他国との折衝を求められるような状況を解消する必要があった、と述べて、新組織を協議の窓口に切り替えることを正当化した。ただ、大統領に、民間団体であるCFCMを廃止する権利はなく、CFCMは19日に執行部の会合を開いて対応を協議することになっている。