ルモンド紙は3日付で、ダルマナン内相及びデュソプト労相のインタビューを掲載した。両相は移民改正法案について説明した。
ダルマナン内相はこの中で、違法滞在者への国外退去処分の決定が2021年に12万2000件に上ったのに対して、実際に執行されたのが1万7000件にとどまっていることについて、執行数が、強制退去と、援助金の支給対象になる自主退去しかカウントしておらず、決定を通知されて後に自ら帰国する者が含まれていないという見かけ上の問題もあると指摘。この最後の場合も含めて退去処分の決定を受けた全員を対象にした把握を行うようにすると説明した。さらに、国外退去処分の半数程度が異議申し立ての対象となっていることも原因だとし、法改正を通じて、可能な異議申し立ての種類を12から4に減らし、その審査の迅速化や手続きの簡素化を図るなどして、命令が実効を伴うようにすると説明した。
外国人犯罪者の国外退去処分については、人口の7%を占める外国人が犯罪の19%に関わっているという現実があるとし、13才以前にフランスに入国した者を国外退去処分とすることを事実上抑止する制限の撤廃などを進めるとした。
移民流入については、家族呼び寄せが50%に対して、就労目的が10%未満というアンバランスがあるとし、家族呼び寄せについては、フランス語試験の結果を滞在許可証の発行の条件とする措置を提案。その一方で、移民統合の柱に労働を据える考えを示し、人手不足の部門をリストアップした上で、そのような部門で就労する不法滞在者への滞在許可証の発給に応じることで、国の利益となる形で移民労働力の受け入れを進める方針も示した。