スポティファイのフランス事業、2024年に3億ユーロの権利料を支払い

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スウェーデンの音楽ストリーミング大手スポティファイはこのほど、フランス事業の開示情報を公表した。同社は2024年に世界で100億ドルの権利料を支払ったが、フランス事業においてはこの額は3億ユーロとなった。前年比で18%の増加、2018年比では3倍増に相当する。前年比での増加率は、フランスの音楽市場の成長率(7%)を大きく上回っており、これは、ストリーミング事業の成長の大きさを物語っている。
同社は世界全体で、収入の3分の2を権利料の形でレコード会社に還元している。フランス事業に限ると、この還元額の3分の2が独立系レーベル向けとなっており、この割合は世界全体の50%と比べて高い。フランスの音楽市場において、独立系レーベルの活動が活発であることをうかがわせる。ジャンルでは、ラップの収入が特に大きいが、フレンチポップの成長も目立つ。フランスの楽曲は外国販売も好調で、2024年には15%増を記録した。米国と欧州諸国に加えて、メキシコやブラジル向けの配信が増えている。女性アーティストの楽曲配信も増加が目立ち、全体では15%増、外国配信に限ると26%の増加を記録した(2020年以来では108%増)。パリ五輪セレモニーでの活躍が追い風になった可能性もある。
スポティファイの世界ユーザー数は2億6800万人に上る。報道によると、欧州市場等では今夏までに1ユーロの料金引き上げが予定されているという。