パリ市、市内の最高速度を原則的に時速30kmに制限へ

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パリ市は市内の道路の最高速度を原則的に時速30kmに制限することを決めた。8月30日付で施行する。
速度制限の導入は、パリ市のイダルゴ政権に加わる環境派政党の長年の公約だった。現在、市内の道路の4割は最高速度が時速50kmに設定されているが、これが30kmに引き下げられる。パリ市を一周する大通りと、それに発する一部の幹線道路(シャンゼリゼ大通りや、セーヌ右岸のジョルジュポンピドー自動車専用道のコンコルド広場以西区間、ポルトドルレアンよりダンフェールロシュロー広場まで、ベルシー河岸、ディドロ大通りなど)と、バンセンヌの森及びブーローニュの森内の一部道路は例外として50kmのまま維持される。また、環状自動車専用道(ペリフェリック)でも、最高速度は時速70kmのまま維持される。なお、速度規制はすべての車両に適用され、自動車や自動二輪車だけでなく、自転車にも適用される。
パリ市は、速度制限の目的の一つとして事故防止を挙げている。また、自動車の利用が減少するように仕向けて、騒音や大気汚染を軽減することも目的となる。車両数が全体として減少すれば、渋滞も軽減されると説明している。パリ市が規制導入に先立って行った意見聴取において、賛成は50%、反対は47%と拮抗しているが、パリ市民に限ると賛成が59%、反対が39%と、賛成派が多い。逆にパリ市民以外では反対が61%と高くなる。これは、市外に住みパリに赴く人にとって、自動車の利用の制限が厳しい結果を招くことを示唆している。市内で事業を営む業者(タクシー、配管修理等のサービス業者など)や商店主などは揃って規制に反対している。