「パス・キュルチュール」で日本の漫画が爆売れ

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日刊紙ルフィガロは11日付で、政府が導入した「パス・キュルチュール」の効果で日本の漫画の販売が大きく伸びていると報じた。
「パス・キュルチュール」は18才の若年者に300ユーロ相当の「商品券」を政府がプレゼントする新制度で、去る5月21日に全国対象で導入された。商品券は書籍購入や観劇など文化財・サービスの購入にのみ利用可能で、アプリ経由で予約する。有効期限は2年間。
パリの専門店ハヤク・ショップによると、200ユーロ余りを投じて全巻爆買いする若者が見受けられる。漫画の場合、1巻の価格は7ユーロ程度だが、数十巻を揃えるとかなりの予算となる。300ユーロの商品券はファンにとっては天の恵みとなる。
調査によると、16-25才の世代の32%は日本の漫画を愛読している。パス・キュルチュールによると、5月21日の開始以来で、書籍は70万冊近くの予約がなされたが、半数強は漫画であるという。ただし、運営側では、漫画を予約した人のうち、37%はほかの書籍も予約しており、補助金がすべて漫画に吸い取られるわけではないとも強調している。
「進撃の巨人」の出版元であるPika社は、パスの導入以来で販売が30%伸びており、大きな効果がみられると証言している。ただ、漫画の販売自体が過去4年間で大幅増を続けており、どこまでがパスの効果であるのか見極めるのは難しい。