イスラム教寺院内で惨殺事件、襲撃の犯人は投降

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南仏ガール県ラグランコンブ市のイスラム教寺院内で25日、刃物により信者が惨殺される事件が発生した。犯人は、犯行直後にSNS上に投稿した動画で、イスラム教を攻撃する意図を表明し、連続殺人を行うと予告していた。犯人は27日深夜に、イタリアのピストイア市(トスカーナ州)の警察署に自主し、逮捕された。
犯行は25日午前に発生。イスラム教寺院で当直の番をしていたマリ人男性アブバカルさん(24)のもとに若い男性が現れた。監視カメラの映像によると、2人は会話を交わし、若い男性は一旦外に出た後に戻ってきた。アブバカルさんは男性が隣に立つ中で祈祷を始めたが、身を屈めたところを男性が刃物で襲い、めった刺しにして殺害し、その場を離れた。
警察発表では、犯人のオリビエ・Hはボスニア系の21歳のフランス人で、仏リヨン市で生まれた。警察がマークしている人物ではなかった。27日には犯行があったラグランコンブ市で遺族らが参加するデモ行進が行われ、1000人程度が参加した。この事件をきっかけに、イスラム教徒差別の実態を他の被害案件と比べて当局が軽視しており、政治家らの扱いも別建てになっていると非難する声も上がっている。ルタイヨー内相は27日の時点で、「反イスラム教」が犯行の動機である可能性を含めて捜査中だとコメント。犯人逮捕を経て今後は背後関係の捜査が焦点となる。