仏政府はこのほど、新しいユーロ硬貨のデザインを公表した。10ユーロセント、20ユーロセント、50ユーロセントの3種を新しいデザインに切り替える。今年夏までに流通を開始する予定。
ユーロの硬貨はユーロ圏の加盟国がそれぞれ鋳造する。金額を刻印した面が全加盟国共通で、もう一方の面が各国の独自のデザインとなっている。2002年のユーロ貨幣導入以来で、フランスはデザインを変更していなかったが、1ユーロ及び2ユーロ硬貨については2022年年頭より新たなデザインの硬貨の流通を開始していた。今回、黄色の硬貨3種(10、20、50ユーロセント)でもデザインを変更した。
現行デザインは、種を播く女性という硬貨において伝統的なモチーフを用いており、3種のすべてで共通となっている。新デザインは、それぞれが歴史上の女性の肖像をあしらい、種を播く女性も中心からは外れる形で刻印されている。「フランス共和国」を意味する「RF」という文字と、欧州連合(EU)を表す12の星が入っているのは現在と変わらない。肖像は、10セントがシモーヌ・ベイユ、20セントがジョゼフィーヌ・バケル、50セントがマリー・キュリーで、いずれもパンテオン(共和国の霊廟)入りした女性たちとなっている。シモーヌ・ベイユはナチスの強制収容所で生き残り、厚相として妊娠中絶の解禁を実現した。ジョゼフィーヌ・バケルは、米国出身の黒人女性でダンサーとして活躍、第2次大戦中にはレジスタンス運動に加わった。キュリー夫人はもちろんノーベル賞を2回受賞した科学者。誕生日で降順に採用した。フランスのユーロ硬貨で実在の人物の肖像が用いられるのは、記念硬貨を除くとこれが初めて。
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