経済成長率が減速、インフレ亢進の影響が浸透

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10月28日発表のINSEE統計によると、7-9月期の経済成長率は前の期比で0.2%となった。前の期の0.5%から減速した。
個人消費支出は前の期比で横ばいとなり、前の期の0.3%増から減速した、インフレ亢進の影響が出たと考えられる。半面、固定資本形成は全体で1.3%増を記録(前の期は0.4%増)。企業設投が2.3%増(前の期は0.8%増)と特に好調だった。逆に家計投資は0.2%の減少に転じた(前の期は横ばい)。輸出の増加率は0.7%に減速したが(前の期は1.3%増)、輸入の増加率は2.2%(前の期は1.2%増)に跳ね上がった。エネルギー価格の上昇が背景にある。
経済成長率への貢献をみると、内需が0.4ポイントのプラス貢献、在庫変動が0.2ポイントのプラス貢献をそれぞれ記録、逆に外需は0.5ポイントのマイナス貢献となった。10-12月期がゼロ成長となった場合の2022年通年の経済成長率は2.5%となる。なお、INSEEは10-12月期の経済成長率をゼロと予測している。通年成長率の政府公式予測である2.7%の達成は難しい状況となった。
また、INSEEが同日に発表した10月のインフレ率速報値(前年同月比)は6.2%となり、前月の5.6%を大きく上回った。インフレ率は3ヵ月連続で低下していたが、10月には再び加速に転じた。特にエネルギー価格が19.2%の大幅上昇を記録。国内の製油所ストのため、高値での燃料輸入を増やしたことが影響した。また、食料品価格も11.8%の上昇を記録した(前月には9.9%の上昇)。生鮮食料品の値上がり(16.9%)が特に目立った。前月と上昇率が同じだったのはサービス(3.2%)とたばこ(0.3%)のみで、それ以外の項目はいずれも物価上昇の加速が目立った。欧州連合(EU)基準によるインフレ率は7.1%だった。