ユーロ圏のGDP、1-3月期に0.4%成長

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欧州連合(EU)統計局の4月30日発表によると、ユーロ圏のGDPは2025年第1四半期(1-3月)に前の期と比べて0.4%成長した。ブルームバーグがまとめたアナリスト予測値(0.2%の成長)を上回り、2024年第4四半期(10-12月)の成長率(前の期比0.2%)と比べて、成長が加速した。
トランプ米大統領による関税引き上げの逆風に抗して堅調な成長を記録した。ただし、追加関税の発動を見越した米国の駆け込み需要も成長に貢献したと考えられる。例えばアイルランドの対米輸出は2月に前年同月比で210%の急増を記録、同国のGDPは第1四半期に前の期比で3.2%も成長して、ユーロ圏の成長率を押し上げた。
EU全体のGDPは2025年第1四半期に前の期比で0.3%成長した。2024年第4四半期には0.4%の成長を記録していた。
主要国の2025年第1四半期GDP成長率は、スペインが0.6%と突出しており、イタリアは0.3%、ドイツは0.2%、フランスは0.1%だった。ドイツは2023年と2024年にマイナス成長を記録したが、ようやく成長がプラスに転換する兆しが見え、メルツ次期政権に朗報となった。しかし、米関税引き上げは同国の今後の経済成長に特に大きな悪影響を及ぼすと予想されている。
前年同期比では、2025年第1四半期のGDP成長率は、ユーロ圏で1.2%、EUで1.4%となった。
また統計局は5月2日、ユーロ圏の4月のインフレ率を前年同月比で2.2%と発表した。ユーロ圏のインフレ率は1月には2.5%に達していたが、2月に2.3%、3月に2.2%へと低下。4月は前月並となった。主要国の4月のインフレ率は、ドイツが2.2%、フランスが0.8%、イタリアが2.1%、スペインが2.2%。