仏公的債務残高、過去最大の水準に

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27日発表のINSEE統計によると、6月末時点の仏公的債務残高は3兆2284億ユーロとなった。同残高は、1-3月期には583億ユーロ、4-6月期には689億ユーロの増加を記録。年頭来では1000億ユーロを超える増加を記録したことになる。同残高の対GDP比は112%に達した。
2017年にマクロン政権が発足した時点では、公的債務残高は2兆2810億ユーロとなっており、それから7年間で1兆ユーロ程度の増加を記録したことになる。この9月に退任するまで、7年間に渡り経済相を一貫して務めてきたルメール氏は、新型コロナウイルス危機などを乗り越えることに成功した代償だと弁明していたが、その当否はともあれ、増大した公的債務残高にどのように向き合うかという課題を未解決であることには変わりない。2024年には国債費が520億ユーロに達する見通しとなっており、さらに、足元の金利の推移は仏政府にとって逆風になっている。26日には、5年物仏国債の流通利回りが2.48%に上昇。信用力が劣るはずのギリシャ(2.40%)を上回る異例の事態となった。10年物長期金利をみても、26日にフランス(2.97%)はスペイン(2.95%)を上回っており、市場が政局混迷を背景に、フランスの財政運営の将来に懸念を強めていることがうかがわれる。