左派連合NFPの首相候補カステ氏は、7月28日付のラトリビューン日曜版とのインタビューの中で、国外に居住するフランス人への課税導入案を披露した。
米国に倣った国外居住者への所得課税制度は左右両派から度々持ち出されるが、現実には導入は難しい。
国外に居住する250万人のフランス人に、居住地での納税額とフランスに居住した場合の課税額との差額をフランスに納めさせるという構想だが、その実現には大きな障壁が立ちはだかる。まず、フランスは税一般法典4B条により、国籍主義ではなく、居住地国を納税義務国としている。また、人の自由な移動を保障する欧州連合(EU)の法令に違反する恐れがある。さらに、フランスがこれまでに締結した二国間租税条約全てについて、改定のための再交渉が必要になる。租税条約は国内法に優先されるため、導入は非現実的だと税務専門家は指摘する。
さらに、米国のように自国民の情報を外国政府に提供させるための影響力がフランスにはないため、法整備なされたとしても実効性は期待できないという。