オリンピック選手村、100%再生可能エネルギーで運営

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パリオリンピック選手村が低炭素で、炭化水素エネルギーに一切頼らない場所になるよう、仏電力大手EDFと仏パートナー企業各社とが協力し合っている。パリオリンピックは2012年のロンドンオリンピック比でカーボンフットプリントを半減する目標を掲げている。選手村はパリ北郊セーヌ川沿いのサンドニとサントゥアン・シュル・セーヌ、セーヌ川中州のリル・サンドニの3市にまたがり、面積は52ヘクタール。
選手村入口の建物は、厚さ1.3ミリの太陽光シートで覆われており、その発電容量は88kWpに上る。セキュリティゲート、コンピュータ、バッジプリンターに電力を供給する。セーヌ川では、期間中は選手村側の川上で航行が禁止されるため、EDFはここに仮設の浮体式太陽光発電ファーム(78kWp)を設置して、川沿いのショッピングスペース「Village Plaza」に電力を供給する。連日1万5000人が食事をとる巨大なオリンピックレストランの近くにある選手村管理事務所棟は、通常の建物比で16%の節電ができる構造となっている。その屋根の上にはソーラーパネル(130kWp)が設置され、バッテリーと双方向充電スタンド7台も装備されている。敷地内には2500戸の宿舎があるが、うち15棟には屋根にソーラーパネルが設置され、平均して敷地内の電力需要の2割を賄う。選手村の出口には1200台のEVに充電できるよう200基の仮設充電スタンドが設置されている。オリンピック後、選手村の敷地から太陽光シート、浮体式太陽光発電ファーム、仮設充電スタンドは撤収されるが、管理事務所棟の設備は残る。そして選手たちの宿舎は一般住宅に転用される。