五輪テロを計画の青年が逮捕、チェチェン出身

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政府は5月31日、パリ五輪を狙ったテロを計画していた18才の男性を逮捕したことを明らかにした。パリ五輪関係のテロ計画容疑での逮捕者はこれが初めて。
チェチェン出身のロシア国籍の18才の若者がサンテティエンヌ市で5月22日に逮捕された。サンテティエンヌ市内の競技場では、五輪期間中(7月26日-8月11日)に、サッカーの試合が複数、開催されることになっている。逮捕された男性は、ジョフロワギシャール競技場の襲撃を計画したが、警戒が厳重であるため、付近で観客を襲撃し、治安部隊と一戦を交えたうえで殉教者として死ぬことを望んでいたという。当局は31日までに容疑者認定を行い、計画がごく初期の段階にとどまっていたことから、監視下に置いた上で容疑者を釈放した。
この男性は当局によるマークの対象とはなっていなかったが、カフカス山脈北部地方の出身者のコミュニティを監視する中でその存在が浮かび上がった。カフカス山脈北部地方は、2018年のパリ市オペラ座界隈での刃物襲撃事件、2020年の教員サミュエル・パティさん殺害事件、2023年の教員ベルナールさん殺害事件の犯人の出身地であり、ダルマナン内相は、この地方出身の16-25才の若者について、「特別なアプローチ」で臨んでいることを明らかにしている。