AI報告書、政府に提出:投資増額を進言

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政府が設置した人工知能(AI)専門家委員会が13日、報告書をマクロン大統領に提出した。AI分野で諸外国との遅れを取り戻すのは可能だとして、多額の投資を行うよう提言した。
報告書は、AIによる経済成長率の押し上げ効果を、2034年までで年間1.35ポイント程度と試算。雇用への影響については、全体でみるとプラス効果を期待できると指摘。そのために教育とトレーニングに力を入れて、AIの恩恵がすべての層に浸透できるようにすることが大切だとした。
報告書は、AIの波に乗り遅れれば、フランスの世界における地位は決定的に後退すると指摘。AIへの投資を拡大しないという選択肢はないと強調した。報告書はその上で、AIへの公的投資額が過去8年間で合計30億ユーロに過ぎないと指摘。向こう5年間では年間50億ユーロの公的投資が最低限必要だとの見方を示した。公共サービスのデジタル移行、欧州の半導体産業の振興、デジタル分野の企業への大型投資等を優先項目として示し、民間投資も呼び込んで、年間総額で150億ユーロの投資を実現するべきだとした。報告書は、財源として貯蓄資金の有効活用が取り沙汰されていると指摘した上で、その仕組みが整うまでの間、公的基金を設立して早期の資金供給を実現する必要があると力説した。