極右RNのバルデラ党首、欧州連合(EU)の弱体化を視野に

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極右RNのバルデラ党首は2月29日、6月9日に投票日を迎える欧州議会選挙に向けて、党の欧州政策について公表した。欧州連合(EU)の弱体化を図る政策を打ち出した。
RNは国家主義と反欧州を旗頭としており、以前はEUからの脱退を公約に掲げていた。現在はそうした尖った政策が有権者離れを招かないようにする目的もあり、EU離脱という言葉を避けつつ、仕分けをして一部の政策には従わず、独自路線を歩むという方針を示した。留学制度や消防協力などは維持、域内の人の往来の自由については、EU市民以外の外国人について制限措置を適用するといった展望を示している。EU条約を改正し、EUを自由な主権国家の協力組織に改め、案件ごとに協力に参加するか否かを決めることができるようにするとし、EUを離脱した英国も参加できるような枠組みにするなどと説明した。
極右RNは前回の欧州議会選でも第1党となっており、今回の選挙でも、世論調査で与党勢力に大きく差をつけている。欧州連合(EU)が統合強化に向けた勢いを失っている中で、フランスを含む各国の反欧州勢力が台頭すれば、EUの今後にとって脅威になる。