欧州連合(EU)理事会は13日、除草剤グリホサートの販売許可継続の是非を検討した。特定過半数の賛成が得られず、決定は11月に先送りとなった。
グリホサートは米モンサント(現在は独バイエル傘下)が開発した除草剤で、「ラウンドアップ」などの商品名で広く農業部門で用いられてきた。発がん性の疑いがあり、数々の訴訟で会社側が賠償責任の認定を受けたことも多い。EUの加盟国の中には禁止を求める動きもあるが、EUは2017年に5年間の期限付きで暫定的に販売許可を延長。暫定期間の終了に伴い今後の取り扱いをどうするかが議論の対象となっていた。EUの専門機関が先に、危険性を相対的に捉える報告書を提出し、欧州委員会は10年間の販売延長を認める内容の提案を示していた。
決定は特定過半数(EU人口の65%以上を占める55%以上の加盟国の賛成が必要)で下されるが、採決においては、独仏が棄権したことにより要件が満たされず、決着がつかなかった。11月半ばに再度投票が行われるが、ここでも同じ結果になった場合は、欧州委の提案がそのまま採択されることになる。うちフランスは、2030年までの延長と使用制限の導入を提案しているといい、妥協案を探る努力が続けられることになる。