下院は7日、開業医の開業地規制を導入する議員立法法案を賛成多数で採択した。政府はこの法案に反対しており、今後の審議の行方は不確か。
フランスでは医療砂漠問題が深刻になっており、対策の必要性が叫ばれている。今回の法案は、社会党所属議員が提出したもので、政府は反対したが、左右両勢力の議員の賛成を得て採択された。法案は、開業医の数が多い都市部における開業を、退職医師を補填する形で開業する場合を除いて禁止する旨を定めている。
開業地規制の導入については、医師会が強く反対しており、ストなど抗議行動が数度に渡り行われた。医師らは、開業規制では問題の解決にはならないと主張している。政府も医師の側の反発に配慮し、代案として、医師が少ない地区において1ヵ月に2日間の勤務を交代で行うことを開業医らに義務付けるという制度の導入を提案していたが、下院はこれに従わず、より踏み込んだ規制の導入を決めた。
法案は今後、上院で審議されることになるが、審議の日程は決まっていない。上院はその一方で、同じ問題を扱う別の議員立法法案を検討しており、政府はこちらに肩入れして、一定の修正を加えた上で採択を支持する方針を示している。こちらの法案は12日の週に上院審議が予定されている。