欧州連合(EU)、デジタル・プラットフォーム就労者に関する指令案で合意

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欧州連合(EU)は13日、デジタル・プラットフォームの就労者に関する指令案を巡り合意した。一定の条件を満たすプラットフォーム就労者に従業員としての権利と義務を認める内容となった。
ウーバーのような配車サービスやフードデリバリーをはじめとして、就労者を仲介・斡旋するプラットフォームについては、プラットフォーム側が本来支払うべき社会保険料等を逃れ、就労者を劣悪な環境に置いているという批判の声がある。就労者側が訴訟を起こして従業員としての認定を勝ち取るケースも、欧州諸国で発生している。欧州委は、こうした問題点を改善し、裁判所の判例を法令の形で明文化することで、法的安定性を確保することを目指して、今回の指令をまとめた。EU理事会と欧州議会が13日にその内容について基本合意を結んだ。
指令案によると、就労者の従業員推定を可能にする指標をいくつか定めて、それに2つ以上合致している場合には、就労者が自営業者ではなく、プラットフォームの従業員である旨の推定を与えるという規則が導入される。従業員推定を受けた就労者は、従業員としての権利を得て(健康保険や失業保険の適用、待遇上の保障等)、また義務にも服することになる。これを覆すには、覆すことを望む側が挙証する義務を負う。
アルゴリズムの使用については、透明性の確保を義務付け、就労条件等にかかわる決定に就労者が異議申し立てを行うことができるような制度が定められる。契約打ち切りやアカウント停止といった決定を自動処理で行うことが禁止され、人による自動処理システムの監督を義務付けることも盛り込まれた。プラットフォーム外からの個人情報の収集も禁止され、心理状態や労組に加入したりストに参加したりする可能性の予測といった情報収集と処理も禁止対象となる。越境就労の場合には、関係国への申告がプラットフォームに義務付けられる。アルゴリズムの管理目的での使用について、労組への通知と諮問を行う義務も設定される。
指令案は今後、EU理事会と欧州議会の正式承認を経て発効する。加盟各国が国内法規を整備する義務を負う。