BNPパリバ、「デジタル・ユーロは限度額を500ユーロに」

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欧州最大手銀行の仏BNPパリバは4日、ブリュッセルでカンファレンスを開いた機会に、欧州中銀(ECB)が進める「デジタル・ユーロ」導入構想について、限度額を500ユーロに設定するべきだとする見解を示した。
「デジタル・ユーロ」は、現金を補完する新時代の決済手段を万人に提供するという構想で、欧州委員会が去る6月に法令案を公表し、現在は政治的な協議の段階に入っている。2027年のサービス開始が目標となっている。これまでのところ、1人が保有できるデジタル・ユーロの限度額を3000ユーロに設定することが提案されているが、BNPパリバの責任者は、それでは限度額が高すぎると指摘。顧客の日常の出費を見る限り、500ユーロ程度が適正規模だと考えられると説明した。
銀行側には、当座口座の一部がデジタル・ユーロにより浸食され、保有する預金額を削り取られるという危機感がある。BNPパリバの場合は、さらに、欧州諸国の16銀行と共同で、米大手のビザやマスターカードに対抗する決済システムEPI(European Payments Initiative)を「Wero」の名称で立ち上げる計画を進めているが、デジタル・ユーロはこの計画とも一部競合する格好になる。