アトス、債務再編交渉に向けて補佐役の任命を商事裁判所に請求

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仏アトス(情報処理)は5日、債権銀行団との債務再編交渉を補佐する独立調停人の任命をポントワーズ商事裁判所に請求したことを明らかにした。この発表を受けて、アトス株は30%近くの急落を記録した。
アトスは、情報処理事業を束ねて売却し、将来的な展望のある事業に集約して立て直しを図る計画を発表していたが、その実現可能性に疑念が浮上していた。情報処理事業を束ねた「Tech Foundations」はチェコの実業家クレティンスキー氏に売却する計画だったが、こちらの交渉は困難に直面しているといい、返済期限が迫る債務に対応する展望が立たなくなった。アトスは、選択肢の一つだった増資計画を断念し、債務再編の交渉を優先することを決め、独立調停人の任命を請求した。2025年のはじめには15億ユーロのタームローンの返済期限を迎え、2025年半ばまでには12億5000万ユーロの社債返済の期限が来る。2029年までだと合計で48億ユーロの債務返済に対応しなければならず、そのめどをつけるため、銀行団との間で債務再編の交渉を行う。
アトス社の問題について、ルメール経済相はこれまでの沈黙を破り、6日付のレゼコー紙に対して見解を表明。雇用面での重要性(世界従業員数は11万人、仏国内では1万人)を指摘しつつ、なすがままにするつもりはないと言明。さらに、アトスの戦略的事業の維持にあらゆる手段を尽くすとも言明した。アトスは、ビッグデータ・セキュリティ事業(BDS)をエアバスに売却する方向で交渉を進めているが、経済相は、アトスの重要資産について、外国企業による買収は阻止する考えを示したものと考えられる。