仏医薬品庁、血管収縮作用を利用した鼻づまり薬のリスクを警告

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仏ANSM(医薬品庁)は10月23日、プソイドエフェドリンを用いた、鼻づまり解消用の経口薬(Actifed、Dolirhume、Nurofen Rhume、Humex、Rhinadvilなど)のリスクを警告し、市民に対して使用しないよう呼びかけた。これらの薬は血管を収縮させることで鼻づまりを解消するが、稀ながら心筋梗塞や脳卒中を引き起こす恐れがあり、鼻づまりを治すためだけに摂取するにはリスクが大きすぎるとの指摘がなされている。プソイドエフェドリンを用いた医薬品の危険性は以前から指摘されており、2017年以降は広告が禁止されるなど規制が強化されてきた。しかし、これらの経口薬は処方箋なしで販売されており、仏国内での販売量は減少傾向にあるものの、2021年には300万箱が販売され、相変わらず風邪薬のベストセラーとも言える存在となっている。
これらの医薬品の販売を制限または禁止するには、欧州連合(EU)の決定が必要となるが、EUは今年に入り、その危険性に関する調査を開始している。ANSMは、医療関係者とも協議した上で、EUの結論を待たずに警告を発することとした。なお、これらの医薬品にはスプレーも存在するが、こちらは処方箋が必要となっているため、今回の警告の対象とはなっていない。