内閣改造人事が発表に

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内閣改造に関する20日付の政令が同日に公表された。ボルヌ首相が続投し、小幅な改造がなされた。
8人の閣僚が内閣を離れ、代わって8人が入閣した。同時に4人の閣僚が転任となった。2022年7月のボルヌ内閣発足時に市民社会の代表という形で入閣した非政治家のンディアイ教育相とブロン保健相が内閣を離れることが決まった。「マリアンヌ基金」を巡る不祥事で責任を追及されていたシアパ社会連帯経済閣外相も退任となった。このほか、コンブ連帯・自立・身障者相、クラン都市・住宅担当相、ダリューセック身障者担当相、ローム男女平等担当相、カランコ海外県・領土担当相の退任が決まった。
教育相の後任にはアタル予算担当相が転任する。保健相の後任には、数日前までボルヌ首相の官房長を務めていたルソー氏が就任する。また、与党ルネサンスの下院議員団団長を務めていたベルジェ氏(女性)が連帯・家族相として入閣した。海外県・領土担当相には、中道与党MODEM所属のビジエ氏が入閣。都市・住宅担当相の役職は2つに分割され、住宅担当相として、ダンケルク市市長を務める左派諸派所属のベルグリエット氏が入閣、都市担当相には、マクロン大統領夫妻に近しいことで知られるルネサンス所属のアグレスティルバシュ下院議員(マルセイユ選出)が入閣する。この役職の分割は、先に郊外地区を中心に発生した暴動騒ぎへの対応であると考えられる。他方、教育相に転任となったアタル予算担当相の後任には、古くからのマクロン派として知られるカズナーブ下院議員が入閣を果たした。身障者担当相にはカタビ下院議員(女性)が入閣。若年者・国民役務担当相にはプリスカ・テブノ下院議員(女性)が就任する。他方、エルアイリ国民役務担当相は、生物多様性担当相に転任、クイヤール生物多様性担当相は、男女平等・ダイバーシティ・機会均等担当相に転任する。
全体として、政治家としての経験が深く、マクロン大統領の信任も厚い人材が要職に起用された。下院で過半数を失った厳しい状況が続く中で、今後の国会運営に万全を尽くすことを狙った布陣となった。野党側からは、大同小異の無意義な改造であるとか、身内で固めてますます閉鎖的な陣容になったなどとする批判の声が上がっている。