スイスとフランスの研究チーム、下肢運動麻痺の患者の歩行に成功

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スイスとフランスの研究チームの協力により、下肢運動麻痺の患者が再び歩行することに成功した。24日に成果が発表された。
スイスのNeuroRestore(ローザンヌ連邦工科大学など)と仏Clinatec(原子力庁CEAなど)が協力し、オランダ人の患者(40才男性)が被検者となった。この患者は10年ほど前に自転車事故で下肢運動麻痺となっていた。NeuroRestoreは、脊髄に電極を埋め込み、適切な刺激を送ることで運動を生じさせる研究を進めていた。一方のClinatecは、脳の運動野付近に電極を埋め込み、脳波でロボットスーツを操作して運動麻痺の患者に歩行させるという技術を開発していた。両者の協力により、患者の脳波の情報を脊髄の電極に送り、そこから下肢を動かすという世界初の試みが成功した。事故による負傷のために損傷し、情報が伝達されなくなった脊髄に、バイパス経由で信号を送るという形になる。
情報の処理には機械学習のアルゴリズムを用いたサポートがなされる。動かせるようになるには訓練が必要だが、被験者は30分間に渡って歩行を続けることが可能になっている。今後は、デバイスの小型化とレイテンシーの改善が開発の課題となる。他方、この技術を悪用すれば、将来的には「他人の体に安来節を踊らせる」といった類の悪ふざけも不可能ではなくなるわけで、倫理的な側面からの配慮も必要になる。