海運大手CMA CGM、ボロレの物流事業買収を決定

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仏海運大手CMA CGMは8日、仏ボロレ・グループから物流事業「ボロレ・ロジスティクス」を買収する合意を結んだ。企業価値を50億ユーロとして買収する。2024年初頭の買収完了を見込む。
CMA CGMは4月18日に、この買収に向けた独占交渉を開始していた。CMA CGMはコンテナ海運を主力事業とするが、新型コロナウイルス危機に伴う用船レートの急上昇を受けて、2021年に180億ドル、2022年にも250億ドルという記録的な利益を達成しており、その一部を再投資して事業を拡大することを決めた。ロジスティクス業を強化し、輸送のすべてのバリューチェーンを自らカバーできる体制を整える。
ボロレ・ロジスティクスは、従業員数が1万4000人。世界に350ヵ所の事務所を展開し、90万平方メートルの倉庫を保有する。2022年には、前年比36%増の売上高71億ユーロ(うち26億ユーロがアフリカ大陸)に対して、4億3700万ユーロの営業利益(71%増)を達成した。CMA CGMの物流部門は年商が150億ユーロ(グループ全体の売上高は745億ユーロ)に上るが、今回の買収を含めて、売上高は240億ユーロ近くと、物流部門でも世界大手に入る。
ボロレはこの売却により、メディア大手ビベンディを最大資産とするグループに変貌する。売却で得た資金の使いどころが注目される。