マクロン大統領、年金改革施行で譲らず:反対派は猛反発

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マクロン大統領は22日昼に、民放TF1と国営フランス2による共同テレビインタビューに応じた。大統領はこの機会に、年金改革について、その必要性を強調し、国民から不興を買うとしても、改革を年内に施行すると言明した。大統領は、赤字を増やす以外の代案が誰からも提示されなかったとして、国会を通過した案以外の改革は考えられないと主張しつつ、同時に、改革の必要性と改革案の内容について正しい理解を共有させることができなかったのは失敗だったと認めた。大統領はその上で、就労条件が厳しい人々に対する配慮という点で検討の余地があるとし、その協議を労使代表との間で進めると予告。ボルヌ首相の下で協議を進めるとして、首相続投の方針を確認した。大統領はまた、企業の特別利益に対する課税に前向きの姿勢を示し、年金改革反対派に対して和解のシグナルを送った。
大統領の発言には、労組や反対派が猛反発している。国民の現実が見えておらず、国民の声に耳を傾ける気がない、などとする非難の声が上がっている。労組は23日に9日目となる抗議行動を共同で主催し、大規模な動員を目指している。23日には公共交通機関の運行が大きく乱れる見通しで、RATP(パリ交通公団)では、路線により通常の3分の1から2分の1程度の運行にとどまり、RER(郊外連絡急行)でも、A・B線で2分の1、C線で3分の2、D線で5分の2、E線で4分の1の運行となる。国鉄SNCFでは、高速鉄道が通常の半数、ローカル線が通常の3分の1の運行となる。パリ・オルリー空港の発着便は3割が欠航になり、その他の地方空港では2割が欠航となる。パリ市の廃棄物回収部門は27日(月)までのスト継続を決定した。