CNESが参画の地球観測衛星SWOTが打上げに

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仏国立宇宙研究センター(CNES)と米航空宇宙局(NASA)の共同ミッションとして、地球観測衛星「SWOT」が15日に打ち上げられる。米カリフォルニア州よりスペースXのロケットにより打ち上げられる。地球の水面の高さとその変化をかつてない精度で把握でき、気候変動の観測などの用途に用いられる。
SWOTは2.2トン、SUV程度の大きさで、890kmの高度で地球を周回する。地球のほぼすべての表面を、10日ごとに計測することができる。本体から対称的に2本のアンテナを配し、それぞれの先端に干渉計を設置する。干渉計の間の距離を10メートルとることで、三角測量の要領で観測精度を高める。120km幅の表面を一度に走査でき、地表の水面も、海洋の水面も同様の高精度で測定できる。湖沼なら周囲250メートル、河川なら幅100メートルから水量等の測定を行える。気象の変化に伴う海面の上下といった現象を細かなスケールで把握でき、気象・気候変動のモデリングに必要なデータを収集できる。水資源の管理や洪水・干ばつの対策などにも活用できる。
衛星はタレス・アレニア・スペースが建造。投資額は10億ドルに上った。耐用年数は3年間だが、5-8年は運用ができると期待されている。スペースデブリ化を避けるために、自ら大気圏に突入して解体・消滅する機能を備えており、400kgに上る搭載燃料の8割近くはそのために用いられる。