仏政府、支援対象の宇宙分野プロジェクトを選定

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フランス政府はこのほど、復興プラン「フランス・ルランス」の枠内で、支援対象となる宇宙分野のプロジェクトを選定した。
宇宙分野のプロジェクトには5億1500万ユーロの支援が、欧州連合(EU)の資金協力を得て行われる。次期「アリアン6」ロケットの完成のために1億6500万ユーロが、イノベーション支援に2億ユーロが、研究支援に1億5000万ユーロがそれぞれ振り向けられる。仏国立宇宙研究センター(CNES)が選定し、経済省の企業総局(DGE)が承認したプロジェクト数は91件に上り、その雇用面の効果は260人強(創出又は維持)となる。プロジェクトの選定を得た企業のうち半数が、ベンチャー企業及び零細・中小企業だった。
ルメール経済相は8月1日、超小型衛星分野の選定プロジェクトについて発表。22件のプロジェクトのうち最も進んだ3件では、2024年末までに軌道上での実証作業が行われる予定。うち。Oledcommは、可視光を利用した光無線通信技術LiFiを世界で初めて衛星通信にて試験を行うことを計画している。まだ調査段階にあるプロジェクトの中には、太陽帆による超小型衛星の推進システム「Alfa」(Gama社)、スペースデブリ回収の実証システム「InsideR」などが含まれる。
宇宙分野では実績のない企業も加わる協働プロジェクト5件(7500万ユーロ)も選定された。大手のタレス・アレニア・スペースが率いる衛星通信用端末を開発するコンソーシアムがその例で、ユーテルサットのVHTSKonnect衛星(9月に打上げ予定)による衛星通信向け端末の開発が進められる。地域圏との協力による衛星等のデータの活用に関するプロジェクトや、破壊的技術の開発を目指すプロジェクトも選定された。